*生活保護利用者の頻回受診に関する研究の論文が公開されました(2022年5月26日)*

Nishioka D, Kino S, Ueno K, et al. Risk profiles of frequent outpatients among public assistance recipients in Japan: a retrospective cohort study using a classification and regression trees algorithm. BMJ Open 2022;12:e054035. doi: 10.1136/bmjopen-2021-054035

生活保護利用者の頻回受診(月15回以上の受診)に関する研究第2弾です。少し手法論的な話になりますが・・・

頻回受診には、ひとり暮らしであることや就労していないこととの関連が、過去の私たちの研究で見られていました(過去の研究はこちら→ Nishioka et al, 2020)。

しかし、既存の手法では関連要因はわかっても、結局どんな人なの?という具体的な支援対象者がイメージしにくい結果でした。これは、性別や年齢が”同じ”だった場合にひとり暮らしの方が・・・というように性別や年齢が”同じ”という条件付けが非現実的な仮定となってしまうことが理由として挙げられます。

そこで今回は複数の背景要因を考慮して利用者をグループ化することで、より現実的で具体的な支援対象となる人々を見つけ、従来のアプローチでは見落としがちな集団があることに気づくことができました。

このような集団を比較的簡便なアルゴリズムで特定することで、その集団に所属する人々に対する詳細な質的研究を通じた頻回受診という行動の現象の理解や、
より効果的なターゲットを絞った介入が可能になればという思いです。

査読者の方の貴重なコメントによって論文が補強され、価値を高めてくれたと思います。ありがとうござました。引き続き学びを続け、研究を深めていきます。これからもどうぞよろしくお願いいたします☻

西岡 大輔(にしおか だいすけ)