【地域新聞連載】怪我した時の正しい対処法は?


美山町宮島振興会 情報誌「あしおと」200号連載記事
「怪我した時の正しい対処法は?」

転んだり、鋭利なもので切ってしまったりして傷や怪我をしてしまったとき、みなさんはどのように対処していますか?傷や怪我は医学的には「創傷」と呼ばれます。適切な創傷の処置方法は時代とともに変遷しており、昔の当たり前が今の当たり前でないことも多いです。日本皮膚科学会ガイドライン「創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン」の内容をピックアップして、現在主流となっている創傷処置の方法をお伝えします。

1)どんな創傷も大量の流水でまずは洗いましょう。水道水で問題ありません(最初少し痛みますが・・・)。創傷についた見えない細菌や異物を取り除くこと(&冷やすこと)が重要で、その後の治癒や痛みをよくします。洗わずに絆創膏を貼ると、創傷に細菌を閉じ込めてしまいます。異物は細菌の絶好の隠れ家です。どちらも洗い流すことが重要です。

2)消毒はやめましょう。消毒によって細菌を死滅させることは、傷周辺の正常な皮膚もダメにすることにもつながります。その結果、消毒は創傷の治癒を遅らせてしまうのです。

3)創傷は乾かさないように。湿ったじゅくじゅくした環境が傷の治癒を促進することもわかっています。

これらは初期対応としては重要ですが、創傷によっては医療処置が必要な場合もあります。どんなささいなことであっても相談してくださいね。