*コロナ禍における社会福祉制度利用者の健康度の変化に関する論文が公開されました*

論文がBMC Public Health誌に公開されました◡̈*✧

Wakata S, Nishioka D, Takaki Y. Changes in Health-Related Quality of Life scores among low-income patients on social welfare programs in Japan during the COVID-19 pandemic: A single-center repeated cross-sectional study. BMC Public Health22, 2147 (2022)

無料低額診療事業&生活保護を利用する患者集団の精神的健康度が、コロナ禍で低下していることを、京都市の1つの診療所の患者調査から示した論文です。一方で、社会福祉制度を利用しない患者集団の精神的な健康度は低下していませんでした。また、身体的な健康度に関しては、COVID-19の流行前後でどの集団においても大きな変化はみられませんでした。

経済的な支援を中心とする社会福祉制度の利用では十分に緩衝することが難しい心理的なストレスを、医療を必要とする低所得者が抱えていることが類推されました。

この研究は現在、私が進めている無低診レジストリ研究にも参加いただいている診療所との共同研究です。診療所に勤務する理学療法士の方がコロナ前から患者調査を実施してくださっていたおかげで、貴重なエビデンスを創出することができました。素晴らしい成果になりました。

また私自身にとっても、論文執筆の指導に携わるなど新しいチャレンジになりました。無事に形になって安堵しています☻

無低診レジストリ研究は今後も利用者、支援に関わる医療ソーシャルワーカー、制度に関するさまざまなエビデンスを創っていきます。今後ともご支援のほどよろしくお願いいたします!

西岡 大輔 (にしおか だいすけ)