*講演*被保護者健康管理支援事業と部署間連携の重要性

門真市の研修会で、「被保護者健康管理支援事業と部署間連携の重要性」についての講演を行いました。同行した大学院生より報告いたします。

まず講演前に、門真市長室におじゃましました。福祉事務所の保護課の職員のみなさんとともに面談の時間をいただき、被保護者の健康に関する研究内容や門真市の状況等を共有し、今後の取り組みの可能性に関して、具体的な意見交換ができました。

講演には、門真市で生活保護に関わる業務に携わる方々30名強にご参加いただきました。

講演では、被保護者の方の健康支援について考える前に、まず参加されている皆さんの健康について振り返っていただきました。健康というのは、健康な時にその大切さを感じることが難しいことも多いですが、日々の生活の中のとても身近なところに健康をおびやかす要因があるということを、具体的な研究結果を通じて紹介しました。

また、被保護者の方がそうでない方よりも健康を損ないやすい事実やその様々な特徴を示す研究成果、またそれらをもとに、日常の被保護者の皆さんとの会話の中でどんな声掛けが健康支援のきっかけや、実際に支援そのものにつながっていくのかについて、具体的な例とともに示しました。特に具体的な声掛けについては、皆さん資料にメモを取りながら聞いていらっしゃいました。「お肉をしっかり噛めますか?」この問いかけ一つでわかることがたくさんあります。

被保護者健康支援事業の実施に際し、ケースワーカーには、必ずしも保健や医療の専門的な知識は必要ではありません。日々の関わりの中で生活の様子をうかがったり、被保護者の方と関係性を築いていくことそのものが、健康支援につながっています。このことが現場で被保護者健康支援事業が発展する糸口となるはずです。

他にも、自治体のデータを用いた分析についてもご紹介しました。現場に集まるさまざまなデータを生活圏域ごとに集計すると、データに基づく健康支援を地域ごとにより深く考えていくことができる可能性を紹介しました。いろいろな壁はあるかもしれませんが、部署や組織を超えて協働することができれば、地域の健康施策をより深く検討できる可能性があり、被保護者だけでなく市民全体への投資につながっていくことをお話しました。

最後には、活発な質疑の時間をいただきました。被保護者の方に向き合い、健康支援の難しさを実感されているみなさんからの具体的な質問に、西岡から課題の捉え方や課題へのアプローチ方法の提案を返答しました。

「今健康支援について課題を感じていたけれども今回の講演を聴いて、すっきりしました」というコメントもいただきました。講演の後も、会場では意見交換がなされていていました。研究に携わるものとして、参加者の皆さんのリアルな現場の声を直接お伺いする機会に触れ、とても貴重な経験となりました。