美山町宮島振興会 情報誌「あしおと」196号連載記事
「「つながり」は介護予防や認知症予防の薬」
近年、数多くの研究により、人との「つながり」が乏しい人では、要介護状態や認知症になりやすくなることが明らかになってきました。本日は、日本の高齢者を対象にした代表的な研究をひとつ紹介します。
要介護状態や認知症ではない健康な高齢者(約12,000人)を対象に、友人・知人との交流頻度を調査しました(毎日頻繁、1日1回程度、週4−6回、週2−3回、週1回、週1回未満、月1回未満)。調査に参加した高齢者を10年間追跡した場合、どのグループの人が要介護状態や認知症になりやすいと思いますか?
友人・知人との交流の頻度が少ない人ほど、多くの人が要介護状態、認知症になりやすく、そして死亡しやすいことがわかりました。具体的には、友人・知人との交流頻度が「週1回未満」の人では、要介護(支援)認定や認知症に至る確率が3割増であることがわかりました。さらに、「月1回未満」の人では要介護認定や認知症だけでなく、死亡する確率も3割増になることがわかりました。
ここ数年、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、高齢者を対象とするサロン活動が休止を余儀なくされ、友人・知人と会う機会が減少しがちになっています。読者のみなさんやご家族は、いま週に何回友人・知人に会っていますか? ぜひお友達やご近所さんと交流する機会を少なくとも週1回はもって、健康で豊かな暮らしに役立ててもらえれば幸いです。
次回は子どものスキンケアの秘訣をお伝えします。こんな内容が聞きたいといったリクエストもいつでも募集しています^^