【論文】生活保護を利用する成人の喘息受診に関する論文が公開されました

Nishioka, D., Saito, J., Ueno, K. et al. Sociodemographic inequities in unscheduled asthma care visits among public assistance recipients in Japan: additional risk by household composition among workers. BMC Health Serv Res 23, 1084 (2023).

症状の出現を予防するための定期受診が大切な気管支喘息に注目し、生活保護を利用する成人では、就労している&家族(特に子ども)と同居している場合に、定期受診が困難になる可能性がありました。反対に就労していない人では、家族の存在により定期受診が継続できる可能性がありました。ひとり暮らしの利用者では就労の影響はほとんどありませんでした。

図:就労状況と世帯構成との組み合わせで、気管支喘息の予定外受診の発生がどの程度異なるかを示したグラフです。就労あり&子どもと同居、就労あり&成人と同居、就労あり&独居、就労なし&独居、就労なし&成人と同居、就労なし&子どもと同居 の順で定期受診に困難を抱えやすいことを示しています。

誰にリスクが集積しやすいのかをよく見極め、こまめなケアを提供できるように、医療機関や福祉事務所をはじめ多機関が協力してできることがあるだろうと考えています。現場のみなさまの実践から教えていただける機会を楽しみにしています!

西岡 大輔 (にしおか だいすけ)