日本疫学会で「生活保護受給者の歯科サービス利用の格差に関連する社会背景要因」という演題を発表しました。(本研究は現在国際誌の査読を受けています。査読による修正を経て結果に若干の変更が生じる可能性があります。)
本研究は、東京と大阪の2つの自治体の福祉事務所から生活保護に関するデータをいただき、最低生活費と経済的な歯科へのアクセスが公的に保障されている生活保護の利用者においても、非経済的な背景要因による歯科受診への格差があったことを示しました。受診があった集団に目を向けることは重要ですが、受診がなかった利用者に必要な歯科サービスが行き届いていない可能性も合わせて考えていくことが重要です。
歯の健康を保つことは、身体・精神の健康を保つことにつながります。生活保護の利用者に限らず、人々が歯科を受診するには様々なハードルがあります。どの障壁にアプローチすることが必要で効果的なのかを利用者の背景要因に応じて検討していくことが求められます。
西岡 大輔(にしおか だいすけ)