日本医療福祉政策学会 野村記念研究奨励賞を受賞しました。
今年度新設された賞で、第一号とのことです。大変貴重な、光栄な賞をいただきました。ありがとうございます。
表彰を受けた研究は、私の初めての英語論文、
“Frequent outpatient attendance among people on the governmental welfare programme in Japan: assessing both patient and supplier characteristics” (生活保護利用者の頻回受診に関連する要因:個人と医療機関の特徴)です。
この研究では、当時までほとんど研究利用されてこなかった生活保護行政のデータを用いたものです。
生活保護利用者による医療機関への月15回の受診=頻回受診に関わる要因を検討しました。
生活保護を利用している人の中で、頻回受診が生じやすい背景には「独居」「不就労」「外国籍」などがありました。
独居の人は家庭というコミュニティがありません。
就労していない人は職場というコミュニティがありません。
外国籍の方では、同じ出身の人や母語が通じる人といったつながりが少ないかもしれません。
こういったことを背景に社会関係から排除された状況や困難がある可能性を示唆しました。
また、一方で、医療機関側の要因としては個人医療機関でも生じやすい結果でした。
医療機関が彼らの「居場所」「つながり」になっている可能性があります。
(経済学でいわれる「医師誘発需要」の可能性もあります)
これらの結果から、従来の該当者に対する「指導」だけでなく、
彼らのとってのコミュニティやつながりをつくっていくような「支援」が必要かもしれません。
これからもがんばります!今後とも引き続き温かいご指導をどうぞお願いいたします☻
西岡 大輔(にしおか だいすけ)