第17回家庭医療学冬期セミナー全体講演「私たち医療従事者は健康格差対策の味方か?敵か?」をテーマにした論文がBJGP Open誌に早期公開されました。初めての単著です。
私は、医療現場で出会う人々の困難や、医療従事者としての接し方に疑問を持ったことをきっかけに、大学院に進学するとともに社会福祉の学びを始めました。その中で、医療現場での教育に活かせるかもしれないと思った気づきをまとめたものです。まだまだ社会福祉を学び足りていませんので、ぜひ引き続きご指導をお願いします!
<論文の主旨>
社会背景による困難は、人々の医療へのアクセスにも複数の障壁を生じます(Levesque, et al., 2013)が、これを人々の強み(ストレングス)に注目した社会福祉学的な観点から考えれば、私たちの目の前に現れる患者さんは数多くの障壁を乗り越える力を発揮できた「すごい」人です。しかし、医療従事者には困難を抱える人に対する無意識的な差別(implicit bias)があり(FitzGerald, et al., 2017)、ある困難を抱えやすい人々に対するスティグマの発生源になる(Browne, et al.,2013)結果、困難を抱える人々の医療への障壁が大きくなり、人々のパワーを奪い、わたしたちへの目の前に現れることが難しくなってしまいます。
公衆衛生関係ではなく、プライマリ・ケアの雑誌に取り上げていただいたのが大事なポイントだと思っています。早期公開でまだ校正されていませんが、ご関心のある方はぜひご覧ください◡̈*✧
ちなみに、「私たち医療従事者は健康格差対策の味方か?敵か?」の動画はこちらからアクセスできます!職場での学習会などにご活用いただいているそうです!よろしればみなさまも、ぜひ☻