【地域新聞連載】蜂に刺されたら?


美山町宮島振興会 情報誌「あしおと」205号連載記事

蜂に刺されたら?

美山での医療を振り返ってみると、毎年夏に数人、重度の蜂によるアレルギー反応で危険な状態になる人を経験します。蜂の中でも、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチは毒性が高いことで知られています。対応は、症状が全身反応か、局所反応かによって異なります。全身反応の場合、息苦しさ・じんましん・立ちくらみ・意識が遠のく感じが起こります。局所反応では刺された場所付近だけが腫れて痛くなります。

全身反応がある場合に、まず必要なのはアドレナリン(エピペン)の注射です。エピペンは所持している人自身や家族、教員や救急隊などが医療機関の外で使える注射薬です。過去に全身反応があった人は、様子を見るのは厳禁!様子を見ているうちに意識が遠のいて自己注射できなくなってしまいます。また、エピペンは即座の全身反応からいのちを守り、医療にかかるまでの時間を確保するための薬(補助治療剤)なので、その後も治療が必要です。エピペンを打ってそのまま医療にかかるようにしてほしいです。

蜂への全身反応が起こりやすいのかどうかの検査や、エピペンの処方は診療所でも可能です。ぜひ相談にきてくださいね。