【論文公開】無料低額診療施設の都道府県間の差に関する研究

西澤寛貴,西岡大輔.無料低額診療事業実施施設の都道府県間の差に関する研究.社会医学研究.2023;40(2);185-191.

論文が出版・公開されました。無料低額診療事業(無低診)に関する研究です。この研究は、西澤先生のご関心から始まった研究でした。昨年実施した無低診フォーラムでも話題になった、無低診施設へのアクセスに関する論文です。経済的な困難を抱える人の医療機関への物理的なアクセス格差を、無低診施設数に注目して記述したものです。以下、研究の要旨です。

本研究は公開されている公的統計から都道府県ごとの無料低額診療事業(無低診)の実施施設数を、都道府県の人口規模などを考慮して記述し、無低診施設の分布の実態を明らかにしたものです。 都道府県別の無低診施設数の中央値(四分位範囲)は10(6.5-15.5)施設で、大阪(80)、東京(55)、北海道(54)の順に多く、秋田(0)、高知(2)、佐賀(3)の順に少ないことがわかりました。人口あたりの無低診施設数は鳥取(2.3)、奈良(1.9)、山梨(1.6)の順に多く、秋田(0)、愛知(0.05)、栃木(0.16)の順に少ないことがわかりました。生計困難者への支援策として無低診施設が果たす役割は重要性を増しており、これらの地域差に関して、施設数だけではなく施設ごとの利用患者数などの運用実態を考慮した適正な配分に関する検討が今後求められます。

この論文は、週1で私の教室に勉強にきてくださっている西澤先生の初めての筆頭論文になりました!
西澤先生はさらに、経済的に困窮する人の医療機関へのアクセス格差に関して、無低診のような制度の知識がどの程度寄与するのかという研究を進めて、もうすぐ投稿の形になりそうなところまできています。週1回の関わりですが、着実にレベルアップされています◡̈*✧

私たちの研究チームは、生活困窮者の健康支援に関わる研究をさまざまな視点から実施しています。来年度の修士課程、博士課程の院生さんも、まだまだ募集しています😊もちろん西澤先生のように週1日などの関わりでも構いません。

雑誌のオープンアクセスは来年になりますので、リクエストをいただければ別刷をお送りします!

西岡 大輔 (にしおか だいすけ)