医療機関が患者の医療費の自己負担分を減免する社会福祉制度である「無料低額診療事業(無低診)」の利用者に関する研究が文部科学省の科学技術研究費に採択され、全国的な調査研究を実施します。 その調査研究の研究説明会動画を公開しました。
簡単に研究の背景をまとめると、
私たちの過去の研究では、利用者の背景には経済的困窮だけでなく、社会的孤立を含めた複合的な困難があり(西岡ら, 2020; 若田ら, 2020)、特に利用者がひとり暮らしの場合に健康状態が改善しにくいことを示してきました(Nishioka et al, 2021) 。
しかし、医療機関による裁量が大きい本制度の利用者の全体像の把握が課題でした。そのため、
・全国の無低診の利用者のうち誰が利益を享受し、誰に効果が乏しいのか?
・支援は誰にどのように実施されるべきか?
・経済的支援以外の追加的支援の必要性はないのか?
といった課題に対するエビデンスの構築が期待されており、多くのご支援のもと、全国展開に至りました。
現在、特に済生会病院・民医連医療機関から多くのご参加表明をいただいております!(ありがとうございます^^)
この研究を通じて、今まで量的に計測されてこなかった、医療ソーシャルワーカーによる支援のエビデンスを創出していく第一歩になればとも思います。ご関心のある方は、ぜひお問合せいただけましたら幸いです。
研究結果を一緒にディスカッションしてくださる社会福祉学の研究者の方々も大歓迎です!
ご検討のほど、どうぞよろしくお願いいたします☻
西岡 大輔(にしおか だいすけ)