*講演*「健康管理支援事業」について.現状の実態把握と今後の具体的な支援策を考えてみよう

6月7日、山口県社会福祉協議会の生活保護医療担当職員研修に招待され、被保護者健康管理支援事業について西岡が講演しました。山口県全域の自治体から21名の生活保護に関わる保健医療担当のケースワーカー、保健師、事務職員の方々にご参加頂きました。講演の記録を、同行した大学院生がご報告します。

講演について

西岡からは初めに、今回この講演に参加されている皆さんが、日々の業務で向き合っている生活保護の利用者にとって、大切なつながりであること、そしてそのつながり自体が健康支援につながっていること、というメッセージが伝えられました。

講演では、参加者のみなさんとゲームをしました。ゲームの「ご褒美」が「健康を手に入れる」こととするならば、果たして「健康」を得る機会は公平に与えられているだろうかという、問いかけでした。つまり、生活保護を利用している方々は、健康を享受することに関して、他の人よりも不利な立場に置かれている人が多く、努力すれば健康になるとも思えないかもしれない。この健康管理支援事業の対象としている方々は、そんな方たちなんだと、改めて考えさせられました。

そんな問いかけから始まり、講義の中では、健康管理支援事業開始の経緯、また、生活保護利用者の健康の実態とその特徴に合わせたアプローチの必要性、また、今回テーマである健康管理支援事業では対象が40~64歳に設定されていますが、様々な年代の生活背景に応じた健康支援の必要性があることも、研究成果とともに具体的に解説しました。参加者のみなさんが、それぞれ資料にメモを取ったり、マーカーを引いたりしながら、とても熱心に耳を傾けていらっしゃったのが印象的でした。

最後には、ワークシートを用いて健診受診勧奨事業の対象者(ターゲット)設定について、TARPARE法を使ってグループワークを行いました。様々な自治体の方々が5つグループに分けられ、それぞれの自治体の状況を共有しながら、講義の内容も踏まえて、ワークシートの項目に沿って具体的に内容を練られていました。それぞれの自治体の規模感や特徴なども多様でしたが、各グループとも素晴らしい内容のご発表でした。

アンケートの感想より

講演終了後のアンケート結果では、満足度は平均4.7点(5点満点)で、満足度の高さがうかがえました。参加者のみなさんが健康管理支援事業についての理解を深めるだけでなく、ご自身の今向き合っている状況や対象者の方々の顔を思い浮かべて、現場に活かそうとこの講義を聴かれていたことがコメントから良くわかりました「参加者の皆さんと対象者の方々のつながりそのものが、健康支援につながっている」というメッセージが伝わったようでした。