NEW!【単著特集(2)】なぜ医師だった私が社会福祉士を取得したのか(前編:専門学校進学まで)

私は、公益社団法人日本医療ソーシャルワーカー協会の会員のみなさまより信任・投票をいただき、同協会の理事を2023年より務めています。協会の正会員資格は「社会福祉士の資格を有する個人」です。

私は医師と社会福祉士の双方の資格を有する、国内では珍しい人間ですが(国際的にもそうらしい)、保健医療関係者からも社会福祉関係者からも、ここに至った理由をよく問われます。そこでこの投稿では、医師として勤務し、研究してきた私が、なぜ社会福祉士を取得しようと思ったのかをまとめてみました。

そもそも私のキャリアを形作った、医療アクセスへの障壁の数々は、“社会”と密接なものでした。
→特集(1) なぜ「ソーシャルワークと連携せずに医療ができるか!?」と題した本を書いたのか

進学理由①:”社会”を扱うとはどういうことか?を知りたかった
健康を規定する社会的な要因に多く触れる一方で、“社会”を扱うとはどういうことなのか、私にはよくわからないままでした。大学院で学ぶ中でそれを知りたくなり、まずは自分に受験資格があったという単純な理由から介護支援専門員(ケアマネジャー)試験を受験し、研修・実習を経験しました。そこで、社会福祉士を基礎資格として持つ方々にたくさん出会いました。もともと保健医療の立場からわかりにくいと感じていた社会福祉の世界の言葉や概念を、私に翻訳してくれる人たちに出会えた経験がありました。同じくその頃、自分が勤めていた医療機関で日々お世話になっていた医療ソーシャルワーカーの諸先輩にも、たくさんのことを教えていただきました。

当時の私はというと、大学院で「社会的処方」に関する論文を執筆していました。
・西岡大輔, 他. 医療機関における患者の社会的リスクヘの対応:social prescribingの動向を参考にした課題整理. 医療経済研究. 2018;30(1):5-19.
・西岡大輔, 他. 社会的処方の事例と効果に関する文献レビュー. 医療と社会. 2019;29(4):527-544. 

しかし、ソーシャルワーカーのみなさんからいろいろなことを教えてもらううちに、自分が考えていたものが、かなり医師頭の「社会的処方」だったことに少しずつ気づき始めます。もちろん文献等に基づいて提案していたものですが、対人援助の理論や方法を知らない「ぼくがかんがえるさいきょうの”しゃかいてきしょほう”」みたいになっていた側面もあったのだと思います。みなさんの教えから垣間見えた“社会”の見方に、どんどん興味がわいてきました。

進学理由②:自分へのハードルを下げたかった
そして、もう一つ率直に書くと、利己的な理由がありました。医師という立場のまま社会福祉やソーシャルワークに触れるよりも、自分自身が社会福祉を学び社会福祉士の資格を持つことで、同じ価値観や言語を持てるのではないか? 福祉やソーシャルワークの側から見た自分へのハードルが少し下がるのではないか?と思ったのです。医師という立場だけで話すよりも、もう少し近いところで話をしてもらえるのではないか。そんな期待がありました。もちろん、社会福祉士の資格を取ればソーシャルワークがわかる、というような単純な話ではありません。それでも、その世界の言葉や価値観を自分自身で体験したいという個人的な興味が強くなっていきました。

そこで2018年、江戸川学園おおたかの森専門学校の社会福祉士養成課程にダブルスクールすることになったのでした。その当時のインタビュー記事があります。もしご関心がありましたら☻(懐かしい&若いですね・・・!苦笑)
→EDOSENブログ「私が社会福祉士養成学科で学ぶ理由~医療現場の目線から」へのリンク

EDOSENブログ「私が社会福祉士養成学科で学ぶ理由~医療現場の目線からより

後編に続きます!
なぜ医師だった私が社会福祉士を取得したのか(後編:社会福祉士取得まで)も近日公開予定です。